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雛「……っきゃ…」
歳「…………」
沖田の後ろからおずおずと顔を覗かせた雛は、睨んできた土方に怯えて小さな声を上げ、また沖田の後ろに隠れてしまった。
「おやおや」
穏やかな雰囲気を纏った男性は、そんな雛を見て優しく微笑む。
彼の名は 山南敬介。
敬「そんなに怖がらないでください。大丈夫ですからね」
山南の言葉に顔だけ覗かせて山南を見る雛。
沖田の後ろから出てこない雛を見て、土方は困ったように溜め息を吐く。
歳「総司……」
総「土方さんがそんな顔をするからですってば」
沖田はニコニコしながら、後ろに隠れた雛の腕を引っ張って自分の前に出した。
雛「……っ…」
土方と沖田を交互に見ながら焦る雛の頭を撫でて、沖田は土方の前に座った。
どうしていいかわからずおどおどしている雛を、土方は睨んで座るように促す。
が、怯えた雛はその場に立ち尽くしてしまった。
敬「土方くん…怯えているじゃないですか」
「そうだぞ歳。小さな子供には優しく話し掛けてやらんとな」
山南と土方の間に座っている大柄な男性は、山南の言葉にうんうんと頷いていた。
彼の名は 近藤勇。
総「おいで?」
沖田が手を差し出すと、その手を握って沖田の隣に正座した。
歳「ガキはこれだから困る…」
一方の土方は雛のことを見て小さな溜め息を吐く。
そんな土方を見て、山南と近藤は苦笑した。
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