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「私は、好きになると思います!お兄ちゃんでも、弟でも!!
私は眞中くんのこと…」
「もういいよ。
分かった
」
最後まで言わせずに遮った。
「俺、好きな人いるから」
やっぱり付き合って、なんて言われない内に釘を刺す。
「でも…」
その答えに少し胸が軽くなった。
だから、
「ありがとう」
少しだけ微笑んで、俺はその場を後にした。
オレンジ色に染まる視界。
それはもう夕刻であることを知らせるには充分すぎる。
今日も佳奈は先に帰っているんだろうな。
そう思い、砂を踏む自分の足音を聞きながら校門に向かう。
すると、遠くにいる佳奈を見つけてしまった。
それだけで動悸が始まる俺の心臓。
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