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でも、なんで?
とっくに帰ってるはずじゃ…。
堺と藤井に挟まれて楽しそうに笑う佳奈。
そんな佳奈を夕日がまるで、自分のものだとでも主張するように染め上げていく。
「……………」
綺麗に染められた佳奈はとても魅力的で、足を止める俺を見蕩れさすには充分だった。
堺と藤井も同じように染められているはずなのに。
三人で楽しく笑い合っているはずなのに。
何故だろう。
この世には俺と佳奈しかいないような感覚に陥ってしまう。
もし二人だけの世界なら、周りを気にすることなく佳奈を自分のものに出来るのに。
そんなありえない願望を思いながらは佳奈を見送って、俺はさっさと家に帰った。
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