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「…………い、…つ……おい…………おいっ刹っ」
窓の外を眺める俺に隣の席の篠坂が小声で話しかけていた。
「…あ、ごめん、なに?」
小声の篠坂に対して、普通に話す俺。
そんな俺に呆れたように篠坂は小声で言った。
「お前なにボーっとしてんだよ…。俺じゃなくて……ん!」
そう言って篠坂が指差した方を辿って見ると、
「眞中くん、早く読みなさい」
随分とご立腹の教師様。
「あ、すいません…」
「179な」
「おお、さんきゅ」
ぺこりと教師に頭を下げると、篠坂がページ数を教えてくれた。
いざ読もうと教科書を持ちながら席を立つ。
そしてちらりと横目で窓の外を見ると、何やら騒ぎが起きていた。
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