第5話~恋として~

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「っ………………」 固まってしまった。 その騒ぎの真ん中には佳奈がいて、しかも蹲っている。 …………嫌な予感がする。 「?…刹?」 「眞中くん、どうかしましたか?」 隣で訝し気な顔をする篠坂の声と、まだ怒りが収まっていないらしい教師の声。 「………………」 その二人の声を無視して、俺はその騒ぎの中心にいる二人を凝視する。 佳奈と、一人の男。 「………っ!?」 あいつ!! 今佳奈に触ってなかったか!!? 教科書を投げ捨てて窓にへばり付く。 「刹!? お前どうしたんだよっ?」 慌ててそう言う篠坂も、少し怒りの混じった声になっている。 まあ、無視しつづけていたら当然といえば当然。
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