第5話~恋として~

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どうやらハードルで切ったらしい足を引きずって保健室に行こうとする佳奈。 それだけ見て、俺も直ぐさま走りだす。 「ちょっ!刹!?」 「眞中くん!!?」 ざわつく教室をほっぽって、教室を出た。 「佳奈っ!」 保健室に着くと佳奈一人だけで、保健の教師もあの男もいなかった。 どうやら佳奈はそこまで気を許していないらしい。 そんなことに安心し、喜びを覚えてしまう。 「……………刹?」 「…はぁ、…はぁ、切っただけ?」 上がる息を整えながら保健室に足を入れる。 瞬間、独特の薬や消毒液の臭いが鼻を独占する。 扉は開いていたはずなのに、廊下に漏れないその臭いは病院を思いださせる。
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