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どうやらハードルで切ったらしい足を引きずって保健室に行こうとする佳奈。
それだけ見て、俺も直ぐさま走りだす。
「ちょっ!刹!?」
「眞中くん!!?」
ざわつく教室をほっぽって、教室を出た。
「佳奈っ!」
保健室に着くと佳奈一人だけで、保健の教師もあの男もいなかった。
どうやら佳奈はそこまで気を許していないらしい。
そんなことに安心し、喜びを覚えてしまう。
「……………刹?」
「…はぁ、…はぁ、切っただけ?」
上がる息を整えながら保健室に足を入れる。
瞬間、独特の薬や消毒液の臭いが鼻を独占する。
扉は開いていたはずなのに、廊下に漏れないその臭いは病院を思いださせる。
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