第5話~恋として~

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「?刹、なんで知ってるの?」 「……………」 見ていた、なんて言えないよ。 言えるわけない。 パイプ椅子に座って自分で手当しようとしている佳奈に近づいて、しゃがみ込む。 そしてガーゼを持っている邪魔な手を退けた。 「刹?」 何するの?といった声で呼びかける佳奈。 答えを返さずに佳奈の足首を持つ。 細い足…。 こんな足でいつもどうやって支えてるの? 俺の手に簡単に納まりそうな小ささで、どうやって歩いているの? 佳奈のすべてが、愛おしい。 痛々しい傷口を自分の口元に寄せていく。 「刹っ待って!汚い!汚いから!!」 じたばたと暴れるけど、俺に気を使っているのか、直ぐに抵抗を止める。
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