第5話~恋として~

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口の中にじんわりと広がっていく鉄の味。 「せ………んっ……」 触れる舌に、声を漏らす。 その声で妙な背徳感に襲われるけど、今この声を独占出来ている状況に酔って、その背徳感がすぐに姿を消す。 「…いっ……刹、…やめ……」 「ドジだね、佳奈は」 だから俺にこんなことさせるんだよ。 だから他の男なんかに触られるんだよ。 こんな華奢な体に触れさせて、そいつが欲情して酷いことされたらどうするの? 「…んっ……」 そんな甘い声だして、そいつを誘惑するつもり? 弟の俺に出すんだから、きっと他の奴にも聞かすんだろうね。 自分の中で渦巻くドロドロとした独占欲が一気に支配する。
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