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授業中には相応しくない喧騒が、遠くから聞こえてくる。
きっと佳奈のクラスが、運動場ではしゃいでいるのだろう。
静かすぎる二人きりの保健室には、そんな遠くの喧騒でさえ響いているように感じる。
視線が絡まる。
焦燥感が、敗北感が、劣等感が、顕著に顔に出ているのが自分でもわかる。
すると手を伸ばしてきた佳奈。
また、頭なでるの?
もう、子供扱いしないでよ。
他の男の方が佳奈の為になると分かっていても、自分を男として見て欲しい欲もある。
伸びてくる手でさえ疎ましいと感じてしまう。
すると、その手は思わぬとこに伸びられた。
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