第5話~恋として~

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左の視界の端に、目の前の佳奈から伸びている腕が見える。 その腕を辿ると、佳奈が俺の左頬に触れていることが分かった。 何より、頬の感触が、熱が、それを知らせる。 そんな佳奈を見つめていると、美しい笑顔を見せた。 いつもの可愛い笑顔にもドキリとする。 けど、 この笑顔は、 反則だ。 「大丈夫、触られてないよ。 触らせない」 そんな一言に、思わず笑みを零してしまう。 「何それ。 まるで俺のものって言ってるみたい」 冗談混じりで言うと、 「うん。 そうだね」 そんな綺麗な笑顔で言わないで欲しい。 冗談って分かっていても、 抱きしめていいんじゃないかと、キスをしてもいいんじゃないかと勘違いしてしまいたくなる。
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