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左の視界の端に、目の前の佳奈から伸びている腕が見える。
その腕を辿ると、佳奈が俺の左頬に触れていることが分かった。
何より、頬の感触が、熱が、それを知らせる。
そんな佳奈を見つめていると、美しい笑顔を見せた。
いつもの可愛い笑顔にもドキリとする。
けど、
この笑顔は、
反則だ。
「大丈夫、触られてないよ。
触らせない」
そんな一言に、思わず笑みを零してしまう。
「何それ。
まるで俺のものって言ってるみたい」
冗談混じりで言うと、
「うん。
そうだね」
そんな綺麗な笑顔で言わないで欲しい。
冗談って分かっていても、
抱きしめていいんじゃないかと、キスをしてもいいんじゃないかと勘違いしてしまいたくなる。
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