第5話~恋として~

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ずっと持っていた佳奈の足が、俺の手からすっと零れ落ちる。 「刹」 俺を、愛おしそうに呼ぶ声。 とても、弟に対して呼ぶような声じゃない。 ツツ… 親指だけで俺の左目のしたあたりを撫でる。 そんな仕草にまたドキリとする。 「好きだよ。 弟として」 そう言って佳奈は、俺にキスをした。 とても短くて、軽いキス。 そんなキスでも、俺の心を揺らがせた。 そして、最後の言葉。 『弟として』 …………………。
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