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分かってる。
刹はあたしの為に、弟として普通に接してくれてるんだよね。
かなり自惚れだけど、そう信じていないと自分を支えていられない。
悲しすぎて、気が狂いそうになってくる。
「眞中?
大丈夫?
めちゃくちゃボーとしてたよ?」
あたしを正気に戻す佐々木くんが私の目の前で掌をヒラヒラと躍らせて見せる。
「あ、ごめんなさい…」
「デート中に他の男の事でも考えてた?」
悪戯っ子の様に笑う佐々木くんは、とても魅力的だと思う。
でも……、はい………。
考えてました。
「デートって……」
今は学園祭。
佐々木くんと一緒に学校を回っている途中。
中庭に植えられた木の近くにあるベンチに座って、タコ焼きを食べている。
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