第6話~刹として~

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「いいじゃん。 堺が居ようと藤井が居ようと、今は二人きりだからデート中」 ニヒッと笑う。 それも、魅力的だと思う。 「二人きりって、実弥と絵里華はおでん買いに行ってるだけだよ」 困った様に笑って見せると、 「眉間にシワ寄せて笑ってる」 言いながらあたしの眉間に人差し指で突こうとする。 「……あ…ごめん……」 バッと眉間を右手で押さえて、上半身だけ佐々木から距離をとってしまった。 そんなあたしに佐々木くんは謝る。 「…ううん、こっちこそ……」 佐々木くんはあたしが男性恐怖症だということを知っている。 だから不用意に触ろうとした事について謝ってくれたんだろう。
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