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「……………」
「……………」
男の子と話しくらいは、まともに出来るようになった。
けれど、触られるのは未だに慣れない。
やっぱり、嫌悪感が背筋を走ってしまう。
でも、
何より、
あたしは宣言した。
刹以外の男の人には触らせないって。
だから…
「おぉぉい。
おっ待たせ~~……って…あれ?何?この微妙な空気」
喧騒で溢れ返っているはずの中庭なのに、何故かその声がはっきりと聞こえるのは、あたし達に向けられた声だから。
もしくはその声が、よく知っている人の声だから。
もしくはデカすぎる声だから。
「実弥ちゃん、もう一つ持ってよ~……………」
その声に少し遅れて、後ろからちょこちょことやって来た人物。
この人の声もはっきり聞こえる。
どうやら原因は、二番目だったらしい。
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