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ここは、黒猫さんのお店ではなく人間さんの世界です
朝早くに高校生の女の子が制服姿で、歩いています
「ホンッとにムカつく!何でいつもいつも!」
怒ってます!怒ってますよ!
「絶対帰ってやるもんか!あんな家!」
どうやら家出してきたみたいですね
ちなみに今日は土曜日です
夜に喧嘩して、そのまま夜を明かしたみたいですね
「ムカつくムカつくムカつくムカつく!思い出しただけでムカつく!」
そんな女の子が路地を曲がると、今までとは全く違う世界
そう、黒猫さんのお店に辿り着きました
「おや、いらっしゃいませ」
丁度、お店を【クローズ】から【オープン】へと裏返した黒猫さんがお出迎え
「え?え?!何?!猫が喋って?!え?!」
「落ち着いて、まずは紅茶でも如何ですか?」
どうやら本日最初のお客様は、この女の子みたいです
混乱している女の子(まあ、当たり前の反応なんですけどね)をお店へと入れて、紅茶を入れて朝のティータイムです
「これは、知人から頂いたバームクーヘン。紅茶と良く合いますよ」
「は、はぁ。どうも」
白雪さんのバームクーヘンを二切れ、女の子のお皿へ
自分にも二切れ、朝から欲張りです黒猫さん
「わっ、美味しい!」
「ふふっ、そうでしょう」
何とか落ち着いたみたいですね
良かった良かった
「あ!何で猫が!喋って!て言うかここは!」
「落ち着いて落ち着いて」
「私帰れるの?!」
「もちろん、お客様が望むのならば」
「お客様…………?」
黒猫さんは立ち上がって、テーブルから少し離れて貴族のように一礼してから
「ようこそ【シャノワール】へ、本日は何をお求めですか?」
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