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「遙さんは、何を望みますか?」
「私の…………望み………」
遙ちゃんの考え中に、黒猫さんはバームクーヘンを一口、紅茶を一口
ほぅ、と息を吐いたのと同じくらいに遙ちゃんは顔を上げます
「お母さんと仲直り出来るように…………お母さんにもう少し寛大に、ううん…………お母さんに謝って、もう少し頑張ってる私を見てって言う『勇気』を!」
「ふふっ、かしこまりました」
優しく微笑み、黒猫さんは奥へ引っ込みます
少ししてから、キラキラ光る砂のような物が入った小瓶を持って戻って来ました
「それは………?」
「勇気の出るお砂糖です。疲れたときは甘いものが欲しくなるでしょう?これは頑張りたい時に力を少しくれるお砂糖です」
遙ちゃんの紅茶に三振り、キラキラ光るお砂糖はすぐに紅茶に溶けていきます
「さあ、後は飲み終わるまで楽しくお話しましょうか」
「はいっ!」
優しく微笑みを浮かべる黒猫さんを見て、遙ちゃんも可愛く微笑みます
やっぱり良い子なんです!
「遙さんはどこにお住まいですか?」
「あ、私は…………って所に住んでます。えっと、分かりますか?」
「ああ!なんて偶然だろう!白雪さんと雪音ちゃんはご存知ですか?」
いきなり大きな声を出した黒猫さんに、遙ちゃんはビクッ!てなります
いけませんよ黒猫さん?急に大きな声を出しちゃ
「ああ、すみません。少し興奮してしまって」
「だ、大丈夫です…………あ、えっと、知ってますよ、白雪さんと雪音ちゃん。お菓子の上手な優しいお母さんと元気なお子さんですよね?小学生の」
「はい、そうです!この店の常連客なんです!」
謝ったのに、また大きな声を出しちゃいました
ビクッ!てなる遙ちゃん可愛いです!
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