第一章

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「おーい。静かにしろー。HR始めるぞー。」 そう言った先生が淡々とHRを進めている。 「先生ー。さっきから何ソワソワしてんのー。あ、もしかして、トイレ?」 これは、男の声。声の調子からするとニヤニヤしてるのだろう。 「バカ。違うぞ。今日はすごいことがあるんだよ。」 「えっ。何々?もしかして…ようやくお見合いが?」 「バカか。お前は。」 など、先生とさっきの男がくだらない話をしてる間、俺はボーッとしていた。 「おい。おーい。おきろー!!」 誰かがそう言いながら俺の体を揺すってる。ゆっくりと目を開けると、そこにいたのは、先生だった。 どうやら俺はボーッとしている間に眠ってしまったようだ。 「お、起きたな。良かった良かった。」 ふと、先生の頭越しに教室の方を見た… ら、多分全員だろうと思える人数の生徒がこっちを見ていた。 俺はボーッとしながら 「あー…、すいません。昨日あまり寝てなくて…。」 と、言った。もちろん、そんなのはウソだ。「あまりにも暇すぎて…。」などと言ったら、絶対怒られるから。 そんな俺に、 「いや。いいんだ。先生もくだらない話をし過ぎて紹介するの忘れてたし。 まぁ、そのことはいいとして、紹介するから教室に入れ。」 「はい。」 ハァー、めんどいな。この人。つーか、まだ寝たりないし。 教室に入って、教壇に立つと、 「えーと、この転校生はレイモンド・スミス君だ。 スミス君は事情により、イギリスからこの学校に転校して来た。 スミス君から何か質問、意見、要望はあるか?」 質問、意見、要望ねー。特にないけど。 あ、 「名前、レイでいいですよ。俺はそっちの方が慣れてるし。」 「お?そうか。じゃあ、レイ君他にないか?」 「…呼び捨てでいいですよ。他にはないです。」 「そうか、 じゃあレイに質問ある人!」 ハァー。やっぱり、この人は面倒くさい人だ。 そんなこと考えてると、 「ハイハーイ!誕生日はいつですかー?きゃっ。聞いちゃった。」 「お前なー、先生のことムシして話進めんな! ったく。誕生日はいつ?だって。」
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