巫女

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「星を観ておりましたところ、奇星が現れました。この星は千年に一度東の夜空に現れ、この星が現れる時大きな禍と大きな福をもたらすと言われております。」巫女の言葉が終わるのを待って王妃が口を開いた。 「ならばわらわに話さずとも殿下にお話すべきでは!?」巫女は頷き、 「確かに、彌摩迺國(やまないこく)にとって一大事には違いありませんが、寧ろ妃殿下に関わりの深い内容なので先に御知らせに伺ったのです。」 怪訝そうな王妃の顔を見つめながら言葉を続けた。 「程なく王妃様はご懐妊の兆しを受けられ御子を授かることと成ります。しかも水晶には2人の赤子の姿がはっきりと見えたのです。この双生児が女児であれば国を繁栄に導く慶事、逆に男児であれば国を混乱に導く凶事となりましょう。」
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