47人が本棚に入れています
本棚に追加
という訳で、シャツの上にパーカーを着て更にその上にブレザーを羽織る変な格好し、社会のルール、即ち条例に従おうとしている茶髪の滝村は、校則を忠実に守っているのだ。
……パーカーを着る意味は分からないが。
比較的長身で容姿の良い(言ってしまえばイケメンな)滝村なら何でも許されるという事なんだろう。
話は逸れたが、制服を着ている僕達は帰される可能性が十分にあったので結局帰る事にした。
「じゃあ、また明日な!」
「うん」
僕達の家は学校の最寄り駅から真逆の方向にあるから、必然的に駅で別れる。
僕の乗る電車が先に来た。
発車する時、小学生のごとく人目をはばからず手を振っていた滝村に、僕が気付く事は無かった。
最初のコメントを投稿しよう!