帰宅致しました

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僕にネーミングセンスなんて有るわけないのに。 いや、この母親も大して変わらないのだが。 「んーと、今日は月が綺麗だし、『琉那(るな)』とかどう?えーと他にも……『琉瑠(るる)』ちゃんとかも可愛くない?『芽琉(める)』ちゃんとか、『琉樹(るき)』ちゃんとか」 やっぱり。 僕は予想出来ていたが、出来ていなかった隣の少女の笑顔は、苦笑いにも見える。 なんで変わった名前ばかり付けようとする。 しかし敢えてそこには触れないでおく。 「母さん、そんなに『琉』ばっか付けようとしなくても……」 「そうね。色々考えて、選択肢を増やさなきゃね」 色々って言っても全部似たり寄ったりなんだろう。 「りゅ、琉斗も考えてねっ」 助けを求める様に言われた。 「花子で良いじゃん」 「適当過ぎるよ!」
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