47人が本棚に入れています
本棚に追加
僕にネーミングセンスなんて有るわけないのに。
いや、この母親も大して変わらないのだが。
「んーと、今日は月が綺麗だし、『琉那(るな)』とかどう?えーと他にも……『琉瑠(るる)』ちゃんとかも可愛くない?『芽琉(める)』ちゃんとか、『琉樹(るき)』ちゃんとか」
やっぱり。
僕は予想出来ていたが、出来ていなかった隣の少女の笑顔は、苦笑いにも見える。
なんで変わった名前ばかり付けようとする。
しかし敢えてそこには触れないでおく。
「母さん、そんなに『琉』ばっか付けようとしなくても……」
「そうね。色々考えて、選択肢を増やさなきゃね」
色々って言っても全部似たり寄ったりなんだろう。
「りゅ、琉斗も考えてねっ」
助けを求める様に言われた。
「花子で良いじゃん」
「適当過ぎるよ!」
最初のコメントを投稿しよう!