帰宅致しました

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「はい、ありがとう。もう良いよ」 別に手を組んでも、目を瞑ってもなくて良かったらしい。 「契約の印は左側の腰の下の方に付けたよ。丁度、骨盤が突き出てる辺り」 そう言われて確認する。 見下ろすと、腰の左端に小さな五芒星、簡単に言えば星マークが、少し腫れた様に赤く描かれているのが見える。 気付いてからそこが熱を持ったように感じる。 「ちゃんと真面目に考えたよ。凄い腰パンしない限り見えないでしょ」 凄い腰パンって何だ。 ていうかそれ、下着までずらしてる事にならないか? 「……もしや君は本物?」 もしくは夢。 「今さら?やっぱり信じてなかったかー。でも興味はあったよね」 「誰が最初から信じるか、そんな事」 前にも言ったかもしれないが、興味はあったのは事実だ。 そこまで分かるなら、信じる。 でも夢の可能性は捨てない。
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