帰宅致しました

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「わたしの目的が果たせた事だし、今度はキミが聞きたいと思ってそうな話をするね」 「そこは僕に訊かないんだ」 単なる予想でしかないじゃんそれ。 「まず、わたしの事だよね。 知ってるだろうけど、悪魔っていう物は、人間の悪い事物に対する妄想。逃れられない恐怖の責任を求める対象。 その考えで人間の恐怖、ある種の怒りは薄らいだ。そして次第に何にでもその考えを当てはめる様になり、悪魔に種類が出来て、数が増えた。 因みに、わたしは悪夢を見せる悪魔なんだよ。 ただの想像でも、想像する人間が多過ぎると現実になる。 同じ様に神や天使、死神、妖怪が存在する様になった。 そうやって妖怪が発生したって事は、口裂け女を考えると分かるよね。キミなら知ってるかな? あれはきっと、元々は子供に1人歩きは危険だって教える為に考えられたんじゃないかな。 その話が広がり過ぎたから、本当の口裂け女が出現した。 わたし達はこれと、あまり変わらないんだ」
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