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「人間は、科学に依存するようになった。見ようと思えば見える存在に頼るようになった。
それに伴って、信仰を不要と思うようになった。
病気が流行しても、悪魔や鬼のせいだと言わないのは、細菌の存在を知ってるからでしょ?
人間はそれを知って、病気を引き起こす悪魔は、要らなくなった。必要なくなった。
だから今は、その悪魔は居ない。ある意味、死んだ。
生きていないわたし達に与えられる、唯一の死。
あの口裂け女だって、昔は妖怪として相当強かったはずだよ。
でもさっきは、簡単に崩れた。
要らない存在だから、弱い。
誰も信じないから、脆い。
わたしも例外じゃない。
夢って見えない何かが見せる物だと思われていた。
ある人が夢に出てきた時、その人が自分の事を考えてるからだと思われた。
でも人間は、その夢を見る仕組みを調べ、科学的に説明した。
見えない何かを否定した。」
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