一晩が過ぎ

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翌朝。 「琉斗ー起きなさーい」 いつも、携帯のアラームで起きれない僕に、母がこう言う。 「早く起きなさーい!」 母は一階から声を出すだけで、わざわざ僕の部屋まで来ない。 「琉斗ぉ!」 つまり、僕の名前を叫びながら勢い良く僕の部屋のドアを開けたのは、奴である。 「あれ、起きてる?」 「呼ばれて瞬時に降りてくる訳無いだろ」 昨日の出来事は、夢じゃないようだった。 仕方無いから受け入れよう。 「朝御飯わたしが作ったから食べてね」 下に降りてみると、確かにダイニングのテーブルに、ベーコンエッグと野菜スープが載っている。 因みに普段は食パン一枚で済ませている。 メアはトースターからトーストを取り出して、皿に載せて持ってきた。 「はい、どうぞ」 メアが満面の笑みで僕に食べるよう促す。
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