一晩が過ぎ

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滝村の隣の美人というのは、天寺さんだ。 容姿端麗でスポーツ万能で学年1位の成績でスタイル抜群な、そんな漫画みたいな人だ。 そして温厚な性格。 大人しくて特別目立つ行動はしないが、男女共に人気で教員達にも気に入られてる。 天寺さんはハーフなのか何なのか、透き通るような金髪に、透き通るような水色の目をしている。 そんなハイパーな人の隣になった滝村は、惜しくも(?)隣になれなかった、つまり滝村の後ろの席になった僕に、 「ヤバいよ、なっちゃったよー。惜しかったな森岡ー。あ、俺頭悪いから解らない時はよろしく」 と、妙なテンションで言ったのだった。 「天寺さんの方が僕より頭良いよ」 「そんな事、気軽に訊けないって。いつも真面目に授業受けてるんだからさ」 「僕は不真面目だからね」 「そんな事は言ってないって。だから、その、あれだ、あー」 面白い奴だった。
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