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その時、車が通り過ぎた。
立ち止まって呆然とする僕をスルーしていった。
女の子の存在には全く気付かなかったのだろう。
こんな所じゃ気付かないか……。
見付けられるのは歩行者となるが、この時間帯に歩く人は比較的少ない。
不審者を警戒する人は案外居るのだ。
ていうか不審者に見付かっちゃ駄目じゃん。
キモメガネ男子の僕と違って、通り魔も変質者も、この女の子にとっては十分な脅威となる。
もし、変なタイミングで起きて、この場から逃げる僕を見られたらどうしよう。
無事保護された時に「自分を見捨てて行った男子高校生が居たな」とか思われたくない。
言われたくない。
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