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一歩踏み出した時、正に変なタイミングで女の子は起きた。
ゆっくり目を開けて、ゆっくり体を起こした。
しばらくその幼い印象を受ける丸い目は、何も無い所を見詰めていたが、ふいに僕の方に首を回して、
「ここは、どこかな?」
と言った。
いや、普通に場所を訊くぐらいはするか。
僕は地名を日本国から言ったが、突っ込みもせず、思案しているのか、ぼーっと聞き流しているのか判らない表情で聞いていた。
そしてまた僕に笑顔を向けて言った。
「助けてくれてありがとう。ところでキミは誰かな?」
「僕は、ただの通りすがりの高校生だよ」
同じ年頃かと思ったが幼く見える顔のせいでタメ語になった。
幼く、可愛らしい感じの顔だ。
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