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歳は多分俺と同じかそれより下くらいだろう。
髪は淡い紫で服装はドレス、顔は俯いてよくわからない。
とりあえず声を掛けてみた。
「お~い、だいしょうぶか?」
少女がハッと顔を上げた。
その顔は美しさの中に幼さを残していて大きい目の色は濃い青。
まあいわいる美少女って奴ですね。
「キャ!!」
少女は短い悲鳴を上げ震え始めた。
しょうがないよな、襲われたばかりだし…
でも、やっぱ傷付くなぁ………
「俺は何もしない。大丈夫だから」
そう言い聞かせると少し落ち着いたのか、震えは止まったようだ。
「貴方は……?盗賊!盗賊はどうなったのですか!?それに3人は!?」
ちょ!顔が近い!
「もう少し落ち着こうか。顔が近いから少し離れよう」
「ッ!?す、すいません!」
少女は顔を真っ赤にして離れた。ちょっと残念な気がしないでもない…
少女は深呼吸をして、
「助けてくれてありがとうございます。それで…3人連れがいたんですが…」
「3人とも気絶しているだけだよ」
少女はそうですか、と呟くと安心したのか静かに涙を落とした。
俺は創造属性でハンカチを創ると少女のそばに置き、馬車を出て空を見上げた。
初めて見るこの世界の空はどこまでも突き抜けるような本当に青い空だった。
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