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顔を上げればそこには愛しい人がいて
「なーに泣いてんの!りゅーたろーのかわいい顔が台無しだよー!」
俺のだいすきな笑顔でにこにこしている高木。
立ち上がって、高木に駆け寄って…
「たかきぃ…っ!!」
「泣かないでー!りゅーたろー!」
ぎゅぅうって抱きしめた。温かくて、安心してまた涙が溢れる。
「龍太郎なりに俺のためにがんばろうとしてくれたんだよね?でも背伸びなんてしなくていい。俺はね、そのままの龍太郎がだいすきなんだよ?」
よしよしって優しく俺の頭を撫でてくれる。そっか、無理に大人になんてなろうとしなくていいんだ…。
俺、忘れてた。高木がいつもよしよしって頭撫でくれたり、優しく手を差し伸べてくれたり…それは高木なりの「そんなに背伸びしなくていいんだよ。無理しないで。」って優しさだったんだよね?
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