キミ色

3/6

80人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
  するといきなり静かな部屋の中に着信音が鳴り響いた。 …………えっ? 最近鳴らなかった知念くん専用の着信音。 「…も、もしもし!」 「ふふっ、久しぶり龍太郎。」 電話ごしに聞こえる、愛しい知念くんの声。 もっと声を聞かせてよ、知念くん。もっともっと名前を呼んでよ。早く知念くんの温もりがほしいの。寂しくて、会いたくて……俺、わがままかなぁ…っ。涙、止まんないよ…ぉ。 「龍太郎?」 「…な、…なに?」 泣いてることがばれたくなくて、精一杯普通を装う。 「龍太郎…、泣いてるの?」 「泣い、て…ない…っ!」 会いたいけど…、知念くん忙しいし、疲れてるだろうから迷惑かけたくない…っ 「嘘つき。寂しいでしょ?」 「だい…っじょ、ぶだよ…」 俺なりの精一杯の強がり。  
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加