深紅 -Scarlet-

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深紅 -Scarlet-

「葵くん・・・」 小さな窓から見えるのは、少しかけた不完全な月だけ。 少女の顔をつたった涙が落ち、冷たいコンクリートに小さなしみをつけた。 「葵くんに・・・会いたい・・・」 ゆらりと立ち上がり、窓に手をのばす。 「葵くん・・・葵くん!葵くん!葵に会わせて!」 また、静かな夜に、少女の泣き叫ぶ声が響いた。
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