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グループを結成してから間もなく、優は現実世界に送り込まれることになった。
先日、現実世界にいる仲間から正体不明の何かがいるとの連絡を受けたらしく、その調査に行ってほしいのだそうだ。ハインズも4賢者でありエリニア村の村長ということもあって向こうに行く暇がないそうだ。
ハインズ「すまんな。後のことは山口殿と土方殿に頼んである」
優「了解」
ハインズ「それから敵の正体がわからない故、慎重に行動するのじゃぞ。あと、これに魔法使いの力を封じ込めてある。戦うときだけ解放しなさい。向こうでその格好じゃ目立つじゃろ」
ハインズが渡したのは水晶が埋め込まれた指輪だった。電球の光を受けてキラキラ輝く指輪は、優の大きな魔力を封じ込めているとは思えないぐらい普通に見える。
光輝「気をつけて」
ひかり「ちゃんと早起きしなよぉ?」
零「ってかなんで優だけなのさ?」
ハインズ「まだ全員で行く必要性がない故じゃ」
零「ふ~ん」
ハインズ「あぁそれから、」
ハインズはポケットから召還の石と魔法の石を何個か手にとって優に渡した。召還の石とは、戦場で共に戦う者を召還するための石。魔法の石は魔法使いが特定の魔法を発動する際に必要なものである。
ハインズ「召還の石にはバハムート、魔法の石にはミスティックドアのスキルを込めておいたから、詠唱すれば発動できる。
どちらもあった方がなにかと便利じゃろ」
優「さんきゅ」
ハインズ「では」
そう言って杖の先で床をコンと一回鳴らすとミスティックドアが現れた(ドアの説明は後々出てきますので)。ドアは現実世界に通じているとハインズは言った。
扉が開き優はその向こう側に向かって歩み始めた。
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