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ひかり「あ~らごめんなさい。つい本当のことを言っちゃったわ」
貴婦人のように右手の甲を口に寄せオホホと笑いながらからかうひかり。優はこんなところで何もしないようなタイプの人間ではない。
優「このっ!…まぁ飯がろくに作れないとこうなるんだろうな。かわいそうに」
すかさずカウンター。
もちろんここで反撃がこないワケがないのは流れ的にもわかるだろう。
ひかり「なにぃ!?もう一度言ってみな!大きな川を見せてやろーじゃない!」
あと一歩でぶちキレるとうところまできたひかりは指をボキボキならせながら優を殴る準備をしていた。そこに誰かが近寄って話に入ってきた。
ハインズ「おぬしら随分楽しそうじゃのぉ。授業の話か?宿題の話か?」
すっかり言い合いに夢中になっていた2人がゆっくり声のした方を見ると、殺気混じりの笑顔をしたハインズがいた。
優「あ…そのぉ…これはぁ…」
後ろにどす黒いオーラのあるハインズを見て優があたふたしているのに対し、ひかりはいたって冷静だった。
ひかり「優が悪いんです。こいつまた寝てたんですよ」
ひかりは優をおとりに逃れるつもりだ。
優「テメェ!俺を売りやがったな!」
ひかり「ふん。元はと言えば優が悪いんでしょ」
優「そーゆーのはもっと美味い飯作れるようになってから言えっての!」
ひかり「そんなこと関係ないでしょ!」
優「だいたいひかりはいつもいつも俺を囮(おとり)にして逃げやがって。少しは自分も責任っつーのを背負ってみろよ!」
ひかり「はぁ?そもそもねぇ、優がぐーすかぐーすか眠ってんのがいけないんでしょぉ!?」
あ~でもない、こ~でもないと言い合っている2人についにハインズが怒鳴った。
ハインズ「バっっっっっカもーーーーーん!2人とも廊下に立っておれ!」
さすがにあそこまで怒鳴られては反論するすべもない。
光輝は“まぁ俺は関係ないし。”みたいな具合で勉強をしている。
零はハインズの“バカもの”がおかしいのか、必死で笑いをこらえている。
優(チッ…ひかりの奴…)
ひかり(はぁ…あたしまで…)
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