鳴らない電話

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「ねぇ、夜。寂しくないの?」  当たり前だと言うように凛とした顔で夜は月を見ていた。 無意識にポケットの電話をつかんでいた。 寂しいのは私なんだ。  引っ越す前には、恋人も親友もいた。 電話は毎日私を呼んでいた。 待つことなんかなかった。 別れた恋人を忘れられない私はいつも寂しい。 新しい学校でも未だに人に打ち解けれずにいた。
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