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王政国家が築かれてから数百年。
妖精と共存の道を違えたのも、ちょうどこの頃だと言われている。
妖精と人間。
2つの種族はかつて共存を選び、繁栄を築き上げた。
妖精は、人間にはない特殊な力を持っていた。
ある者は水を操り、またある者は火を操った。
人間にはない、特殊な力。
それを妖精たちは人間のために使い、人間の役にたった。
毎日、互いに支えあい、笑いの絶えない日々を過ごしていた。
──しかし。
愚かな人間は、いつしかそんな妖精の力に恐れをなした。
『妖精は人間を支配する気ではないか?』
人間の頭にはそんな疑惑が浮かび、次第に膨張していった。
そして人間は、
──ついに反乱を起こした。
妖精は反抗することもなく、ただ逃げ惑い、人間の前から姿を消した。
そうして、王政国家の設立と共に、人間は妖精の存在を忘れていった…──
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