マージャン探偵

6/325
前へ
/597ページ
次へ
    「なんやねん」警察は口をとがらせた。     警察の顔には、怒りが溢れだしていた。     しかし私は無視した。「私はいちども麻雀探偵になるなんて言っていないぞ」     「そうか、そうか」     警察の小さな声が聞こえた。     まさか、怒らせてしまったか。いや、大丈夫なはずだ。     私は自分をはげました。     しかし、はげましなどムダだった。     警察はゆっくりと言った。「そらぁ、残念やったなぁ……。ろうやぁ、入ったことあるかぁ……?」     警察の言葉のなかには、私をおびえさせる単語があった。     それが“ろうや”だった。     さすがの私も強気にはなれなかった。     私の口からは、自然と言葉がもれていた。    
/597ページ

最初のコメントを投稿しよう!

643人が本棚に入れています
本棚に追加