マージャン探偵

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    しかし、私の反応はちがっていた。     「麻雀だと!?」私は素直におどろいた。     やつは警察。賭け麻雀が違法なことぐらい知ってるはずだ。     私は警察を見た。     警察は私のとなりにいた。彼は右手をなびかせながら言った。「そういうわけや」     「どういうわけだよ」     私の声がひびいた。     私の声は、雀荘のなかであれば、牌の音で消えていた可能性があった。     しかし、雀荘の外であれば、その可能性さえもなかった。     「まあまあ」警察が言った。「冷静になるのがいちばんやで」     「なら、説明してもらおうか」     「なにを?」     「これからなにをするのか」     「麻雀に決まってるやん」警察が言った。「もちろん、やってくれるやろ?」    
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