からん、ころん。

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夢と現と空の狭間。 海と森と人の空間。 昨日と明日が重なって。 生まれる、今。 からん、ころん。 耳元で響く軽やかな音。 それにあわせて感じる揺れは、たゆたうように気持ちがよい。 ずっと、そばにはいられないけど。 からん、ころん。 音の間に、泣きそうな声が聞こえる。 そばに、いたいと、おもっているけれど。 からん、ころん。 わずかに聞こえるそれは、なんなのか。 あいしてると、しっていてほしいけれど。 からん、ころん。 小さく声に、嗚咽が混じった。 まもっては、あげられなかったけれど。 からん、ころん。 眠ってしまいたいが、それはできなかった。 からん、ころん。 軽やかな音が、重みをおびる。 からん、ころん。 その音はもう、聞こえない。 灼熱の痛みと顔をぬらす涙の狭間。 夢である願いと現実の重みの間。 叶わぬ願いが叶うとき。 溶けて消えた、それ。
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