短編集

思いをこめて、筆を執ります。

拝啓

この世界に生きているあなたに伝えます。
そうすることがとっても大切なことだと思うから。

あなたが幸せであればいいと思います。
けれどこれは、わたしの願い。
決して絶対に幸せでいるとは思っていません。

泣きたいこともあるでしょう。
悲しい事だって、きっと。

一人ぼっちでいたならば、悲しいことや辛いことは。
たぶんそれの何十倍も苦しく感じてしまう。

でも、忘れてほしくないと思います。

あなたの隣には、誰かいるはずだから。 悲しいときには一緒に泣いて。
つらいときには一緒に悩んでくれる人。

気付くことは大変で。
わたしは失ってから気付いたけれど。

どうかあなたには、もっと早く気付いて欲しいと思います。
わたしのように後から泣いて欲しくない。
それは後悔してしまうことだから。

どうかあなたには、もっと早く気付いて欲しいと思います。
誰かがあなたの隣にいる限り。
悲しみも、苦しみも、つらさも。
しあわせだって、分け合える。

誰かがあなたの隣にいる限り。
悲しみや苦しみ、つらさはきっと半分以下。
しあわせはきっと何十倍にも感じること。

どうかあなたには、もっと早く気付いてほしいと思います。
後悔してしまったわたしの代わりに。

なんだか、押し付けがましくなってごめんなさい。

敬具