夜桜ー語られぬ物語ー

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「曽良っ」 呼び声がして目が覚めた 「二度寝すんなよ」 いや、今のは三度目だった 「今日入学式だぞ」 「…あぁ…」 面倒臭い… 「お前は良いな…役割なにもなくて」 僕は新入生代表の言葉をわざわざ言わなきゃいけないのにハルはなにもなしって… 「オレは馬鹿だもーん」 …コイツ、開き直りやがった 取り敢えずムカつくから脳天にチョップを入れる 「ッてぇっっ」 「痛いのは気のせいだ」 「えー」 はぁ…行きたくない…… 「痛いのは気のせいだ」 「えー」 それはない、めっさ痛いっなんてったって脳天直撃っ はぁ…とため息をつくと曽良のため息と上手いことハモる 面倒臭そうにしてはいるがやるときはちゃんとやる子の曽良は昨日の夜ちゃんと今日の台本を書いていた …どうせ使わずにアドリブで乗り越えるんだろうなぁ… と、思いながら新しい匂いのする制服の上着を着る そういや学ランのがブレザーより安かったって理由で学ランなんだよな…金はあるのに……みんなどうせブレザーなんだろうなぁ…浮くだろうなぁ… ……重っ何これ重っ動きにくっ えー不満ー 「そろそろ行くぞ、ハル」 「うぃー」
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