プロローグ

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バタンッ 扉が大きな音を立てて開く。 それに部屋にいた人々の視線が集まる。 「お体に障りますので部屋では静かに願います」 その中の白衣を来た初老を迎える女性が、部屋の中心のベッドに横たわる女性を気にしながら、部屋に入って来た若い男を嗜める。 「それはすまない。私の子は?」 「こちらでございます」 白衣を来た若い女性が清潔な布にくるまれた赤ん坊を若い男に渡す。 男は赤ん坊を受け取ると、ベッドに横たわる女性に労いの言葉をかける。 「よくやった。ルージュ……ああ、まだ起きなくていい」 男の言葉で起き上がろうとしていた女性はまた横になる。
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