第十五章~最後の戦い~

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話し合いが終わったから、結界の解除をしてもいいかを尋ねれば、良いと返事があったから結界を解く。 解いた瞬間、会議室の扉が勢いよく開く。 扉が開くと同時に綺麗な身なりの人達が大勢入って来る。 「陛下!国の一大事の話し合いと聞いていましたのに、何故扉を開かないようにされていたのですか!」 大勢入って来た人達の内の一人が大きな声で喚きたてる。 その声に追随する声がいくつも上がる。 「話し合いはもう終わった。この話し合いは時間厳守だと伝えてあったはずだ。それに間に合わなかったのはそなた等であろう」 喚く声に皇帝は涼しい顔をして対応する。 そして、こちらに顔を向けて言外に時間厳守を守っている者達はいたと言っていた。 「それでは失礼します」 貴族達の批難(ひなん)がこちらにも飛び火しそうだったから、私はマコトさんと『刀神』の腕をつかみこの場から“転送”と言い、この場から撤退(てったい)する。 この場にいるのは他の人は自身で“転移”が使えるのだから自分の力で抜け出せるだろうけれども、マコトさんと『刀神』は魔力がないから実力行使すると、下手をすると怪我人が出てしまうかもしれないからだ。 『東端の館』の前に移動して、私の意図を察したのか『刀神』は、ありがとう、と礼をしてギルド内へと入って行った。
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