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「…いえ、聞かなかった事にしてください」
「それは言える事なのかい?言えない事なのかい?」
少し、話し過ぎたと思い、無かった事にしようとしたのだけれども、マコトさんは追及してくる。
「…言える事だけれども、あまり言いたくはない…」
「【この体を使って戦うのは私だと言う事です】」
言い渋る私に代わり、アルカが私の体を使ってマコトさんに説明する。
「…成程ね。通りでルーシアが言い渋る訳だ」
「【貴女には魔王を倒すのに協力してもらわなければいけないというのに、何故この体の持ち主は言い渋るのでしょうか】」
「何となく分かってるんじゃない?神サマ?自身の意思で戦う訳でないのに他人には協力してほしいなんてルーシアは言いたくないんだよ」
「【…そのようですね。やはり同じ人間同士の方が意志の疎通はしやすいのでしょうか?】」
「相手によると思うけどね。魔王と戦う際、ボクがするべき事が分かってるなら意志の疎通はそこまで必要ない」
アルカと話すマコトさんは、いつもの何処となくのほほんとした雰囲気は無く、相手は神だと言うのに何処か拒絶したような反応を見せる。
そんな調子で魔王と一緒に戦うなんて大丈夫なのだろうか?
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