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「何?」
最後にアルカが言葉を発していたのには気づいてはいても、聞こえなかったからか、マコトさんは聞き返して来た。
「アルカ様はもう神の種の中に戻ったみたいですよ」
アルカが伝えないようにしていたのだから、私から伝えてもいいものではないと思って伝えない事にした。
「ルーシアの口が動いていたんだから、ルーシアならわかるんじゃないのかい?」
もう、アルカではなくなったからか、マコトさんの雰囲気が元に戻る。
「いえ、自分で動かしていない口の動きは分からないですよ」
「そっか。それじゃ仕方ないね。それにもう、今日は休んで明日の準備に備えようか」
「そうですね。でも、ベッドは一つしかありませんから、私は自宅の方に戻りますね」
そう言ってこの部屋のベッドをマコトさんに使うように言って、自宅の方へ移動しようとしたら腕を掴まれて止められてしまう。
「何ですか?」
「別に一緒に寝ればいいじゃないか。ただ寝るだけなんだし」
「でも、二人だと狭いから疲れが取れないんじゃないですか?」
「大丈夫だよ」
そう言ってマコトさんは私をベッドに誘導して一緒にベッドに横になって、私を抱きしめてくる。
「こうすれば暖かいしね」
小さい頃一人で中々寝付けずにいた私にハルおば様がしていたのを思い出したようで、安心したようにいつの間にか私は眠りに落ちていた。
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