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翌朝、スッキリと目覚めた私は一緒に寝ているマコトさんがまだ眠っているのを確認して、起こさないようにベッドから抜け出す。
まだマコトさんが眠っているのを確認して、私は静かに『氷雪』を出して羽織る。
アルカは協力してもらえとしきりに言ってはいるが、魔王との決着には他の人を巻き込みたくは無かったから、これから一人で向かうつもりだ。
部屋から出る前に念のためにとベッドの方を確認すると、マコトさんの姿が見えなかった。
「え?」
「一人で何処に行くつもりだい?魔防具なんて着こんで」
ベッドの方を向いていた顔を声のした扉の方へと向けると、不機嫌そうな顔をしたマコトさんが扉に凭れ掛かってこちらを見ていた。
「…明日の準備ですよ」
「それに魔防具は必要ないよね?君は一人で行くつもりなんだろう?」
「……」
「沈黙は肯定とみなすよ。一人でなんて絶対に行かせないからね」
「…だって、魔王と戦ったらまた誰か死んでしまう…そんなのはもうイヤ…」
「君の覚悟は分かったよ。でも、皆の覚悟も…ボクの覚悟も無下にしては欲しくないね」
強く睨みつけるように私を見つめるマコトさんと目を合わせられず、俯いてしまう。
「それに魔王と戦うのは神なんだろう?」
「でも、魔王がいなくなった後に皆が居なくなっているのは、嫌なんです」
マコトさんへの反論は、弱弱しく声が震えていた。
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