第十五章~最後の戦い~

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「そう言われてもボクは着いて行くよ」 行こうとしているのを見つけられているし、今更置いて行ってらきっと他の人にも言うのだろう事は見えていた。 「それなら、私がこれから向かうのに着いてくると言うんですか?」 「他の人に声を掛ける暇は…ないようだね。行くよ」 本当なら断って欲しかった。でも、一緒に行ってくれると言われて嬉しく思っちゃいけないのに、嬉しいと思ってしまった。 「それでは行きますよ」 そして私はマコトさんと二人で魔王の待つ魔大陸まで“転送”で跳んだ。 「ルーシア?」 城のある方を見つめながらぼうとしているように見えたのだろう。マコトさんがいぶかし気に名前を呼んでくる。 「何でもありません。昨日の事を少し思い出していただけです。ではそろそろアルカ様に代わります」 「ルーシアが目を覚ました時には全部終わってるからそんな不安に思わなくていいよ」 私がこれからどうなるか不安に思っていたのが顔に出ていたのか、マコトさんが私を安心させるように声を掛けてくる。 「…ありがとうございます。それでは頑張ってくださいね。おやすみなさい」 「おやすみ、ルーシア」 私はそう言うと、アルカに体を明け渡す意思を伝えた。 途端に視界は暗い闇の中に沈んでいき、私の意識は途切れた。      〔ルーシアSideend〕
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