第十五章~最後の戦い~

24/32
612人が本棚に入れています
本棚に追加
/447ページ
目を閉じていたルーシアが目を開く。 だが、その瞳は普段の碧色ではなく、神の種と同じ虹色になっていた。 「神サマかい?」 「【ええ、そうです。ですが、貴女は私の事を嫌っているのではないのですか?】」 「ああ、嫌いだよ。でも、その体はルーシアのだ。傷つけたら許さないから」 「【それを言う為に話しかけて来たのですか】」 「それだけじゃない。アンタこの世界の神サマだよね。アンタがいなくなったらこの世界はどうなるんだ?」 「【予想はついているのでしょう。この世界はなくなります】」 「ますます魔王を倒さなきゃいけなくなったね。じゃないとルーシアの起きれる世界がなくなっちゃう」 「【それではそろそろ魔王退治と行きましょうか】」 そう言うとアルカは歩き出し、マコトはそれに着いて行く。 アルカの歩みは最初はゆっくりと、次第に普通の歩みになり、徐々に速さが増していった。 体を慣らしているかのようで、マコトもそのゆっくりとした動きには特に文句を言わなかった。 二人の間には会話らしい会話は無く、互いに無言のまま魔王の居る城のすぐそばにまで来た。 「【…おかしい】」 「何が?」 「【魔族の気配が微かにしか感じない。感じるのは魔王のそれのみ】」 「…どういう事?」 「こういう事だ」 久しぶりの会話に第三者の声が混じる。
/447ページ

最初のコメントを投稿しよう!