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「これで邪魔者はいなくなったなと言いたいが、もう一人人間が残っていたな」
そう言うと魔王はマコトをギロリと睨む。
それに対してマコトは泰然と構えているだけだった。だが、何かきっかけがあればすぐにでも動けるという体を取っていた。
「【…行きますよ。お願いします】」
アルカがマコトに声を掛けると、それを待っていたと言わんばかりに動き出す。
その動きは本当に魔力による身体強化をしているのではないのかと、魔力を持つ一般人が見ていたとしたら疑いたくなる程の動きだった。
でも、ここにいるのは神と元神である魔王という人外の存在しかいなかった。
刀で魔王に斬りかかるも、その刃はあっさりと受け止められてしまう。
だが、マコトの持つ刀はただの刀ではなく、神力を帯びた刀だった。
それ故に魔王は刀を受け止めた箇所を抑え、マコトから距離を取る。
その隙を逃さずマコトは連撃を放って魔王に追撃する。
それはアルカと決めていた役割だった。
アルカが神法を使う隙を作る、ただその一点の為にマコトは魔王に攻撃を続けていた。
その事に魔王が気づいたのはアルカが魔王を倒す為の神法に使う神力を練り上げているのに気づいたからだ。
「小癪な真似を」
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