始まりの前の始まり

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俺はただの一般高校生。     普通の偏差値の高校に通い、普通の家族と過ごし、普通に生きている。     普通とは何か聞かれてもわからないが、普通に俺は過ごしている。      ある日のこと、普通に彼女のいない俺はごく普通に友達と話しながら帰っていた。   「なぁ、礼司。お前今回のテストどうだった?」   「どうだったと思う?」   俺は苦笑いしながら聞き返した。  「ははっ、全部平均より1点下だったのか?」   「惜しい。1点上だよ。」   つまりほとんど平均。 ホントにつまらんテストだった。  「そういうお前はどうだったんだよ?和寿。」   俺は聞き返してやった。   「聞いて驚くな!数学と英語と国語以外は満点だ。」   「おお、数学と英語と国語はいつも通り平均の半分か。」   「うっせ。」     こんなたわいのない会話。こんなことがいつまでも続くと、俺は思っていた。     あ、俺の名前は阿部礼司。どーせ平均な奴ですよ。名前もアベレージだし・・・。 一応、スポーツは好きで結構身体能力も高いと思っている。そこは平均が適用されてないようだ。スポーツはほとんどできる。だが、一言で表すなら「広く浅く」。     まあいいや。 で、隣で話してるのが三田和寿。所詮、今回限りの出落ちだ。    
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