序章-キャッツアイ-

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「おっはよー!今日も一日頑張ろう!」 「おはよ、栞。今日も無駄に明るいね。」 無駄に明るいと言われて十七年、上辺だけの友情関係を保っている。 だって所詮彼女達は私が生きるための物語の主人公でしかないのだから。 幼い頃から感じていた…私は他の人とは違う、と。 皆、それぞれが自分の物語を生きている。 なのに私にはそれがないのだ。 だから私は他人の物語に入り込む。 自分が生きるために…自分の存在意義を確かめるために… 私はちっぽけな栞。 どんなに頑張っても物語の主人公にはなれない。 私に出来ることは皆の物語に挟まることだけ…
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